伊東静雄賞



第34回 伊東静雄賞受賞者
鷹取美保子氏


第33回 奨励賞受賞者
川島洋氏


第33回 奨励賞受賞者
有門萌子氏




第1回 授賞式

第2回 授賞式

第6回 授賞式

第7回 授賞式

第8回 授賞式

第9回 授賞式

第10回 記念講演 梅原猛氏

第12回 授賞式

第13回 授賞式

第14回 記念講演 小川和佑氏

第15回 記念講演 宗左近氏

第16回 授賞式

第16回 記念講演 坂東まき氏

第17回受賞者 斉藤礼子氏

第18回受賞者 下川敬明氏

第19回受賞者 原利代子氏

第20回受賞者 頼 圭二郎氏

第20回受賞者 池谷敦子氏

第21回受賞者 在間洋子氏

第21回受賞者 新垣汎子氏

第21回 記念講演 市川森一氏

第22回伊東賞贈呈式

第22回 受賞者 西村泰則氏

第22回 記念講演 講師 高橋睦郎氏


第24回 受賞者 谷元益男氏


第24回 記念講演 後藤みな子氏


第25回 奨励賞受賞 八重樫克羅氏


第25回 奨励賞受賞 いわたとしこ氏


第25回 記念講演 倉橋健一氏


第26回 伊東静雄賞 贈呈式


第26回 伊東静雄賞受賞 藤山増昭氏


第27回 奨励賞受賞者 渡会克男氏


第27回 奨励賞受賞者 宮せつ湖氏


第27回 記念講演 講師 北川透氏


第28回 伊東静雄賞受賞者 山之内勉氏


第28回 記念講演 講師 高橋順子氏


第29回 伊東静雄賞受賞者 花潜幸氏


第29回 記念講演 講師 中原豊氏


第30回 伊東静雄賞受賞者
末国正志氏(右)


第33回 奨励賞受賞者
川島洋氏


第33回 奨励賞受賞者
有門萌子氏


第34回 伊東静雄賞受賞者
鷹取美保子氏



<伊東静雄賞のこれまで>

昭和初期彗星のように現れ、高雅・清純の叙情作品を幾多残して四十七歳の若さで亡くなった長崎県諌早市出身の詩人伊東静雄の業績を顕彰して制定されたものである。当初から今日まで国内外から応募される作品は毎回千篇近くで関心の深さがうかがえる。

一次選者
平野 宏氏(詩人)
森永和子氏(詩人)
最終選者
井川博年氏(詩人)
以倉紘平氏(詩人)

佳作五十篇が選考され、この内から入選作一篇が決定する。入選作がない場合は奨励賞二篇が選ばれる。伊東静雄賞の贈呈式は、毎年三月最後の日曜日、伊東静雄の故郷諫早で「菜の花忌」と同時に行われる。



第三十四回 伊東静雄賞



第三十四回 伊東静雄賞 受賞作品

薔薇ほどに

                   鷹取 美保子

雨がふる
玄関ポーチのわきの
大輪の黄色い薔薇に 雨粒が落ち
首を振ることもできず
八重の薔薇は 重さに耐えている。
雨がやむ
風が茎を少し揺らせば
滴が跳ねる
「軽くなりましたか」 と問えば
フレアースカートのように
いっそう花は開く。
やがて 花びらは
幾片もの鳥の子紙となり
地に散りしだき
「もどって来ます」 の声をあげ
土に還っていく。
先に逝った姉の
笑顔にも似た黄薔薇。
約束を確かめる術は
ただ待つことなのか
姉と交わした
最期の日の
「じゃあ、またね」 のため
あと幾十の季節を
私は過ごせばよいのだろう。
おっとり屋さんだった姉は
この地への 帰り道を思い出せず
天空の縁で
昼寝でもしているのだろう
四季咲きの薔薇は
もう密かに
また 蕾をつける支度を
整え始めているという。




クリックすると過去の受賞作品が出ます。